一人暮らしの安心準備 体調急変時に備える大切な情報リスト
はじめに
一人暮らしを続けていく中で、体調が急に悪くなったらどうしよう、と不安に感じることがあるかもしれません。特に、ご自身で救急車を呼ぶことはできても、その後に自分の状況をうまく伝えられるか、周りの人に適切な情報を伝えられるか、心配になることもあるでしょう。
そうした「もしも」の体調急変時に慌てず、ご自身と救急隊員の方がスムーズに対応できるよう、事前に準備しておくと安心できることがあります。それが、「大切な情報リスト」を作っておくことです。
なぜ体調急変時の情報リストが必要なのでしょうか
体調が急に悪くなったとき、意識がはっきりしない、話すのが難しいといった状況になることも考えられます。救急隊員の方が到着しても、ご自身の情報が伝わりにくければ、適切な処置や搬送先病院の選定に時間がかかってしまう可能性があります。
事前に氏名や持病、服用中の薬などの情報をまとめておき、救急隊員の方がすぐに見つけられるようにしておけば、迅速かつ適切な対応につながります。これは、ご自身の命を守るためにも、とても大切な準備です。
リストに含めておきたい情報
では、具体的にどのような情報をリストにまとめておけば良いでしょうか。以下のような項目を記載すると、救急隊員の方や病院スタッフの方にとって大変役立ちます。
基本情報
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 緊急連絡先(ご家族、信頼できる友人など)
- 血液型(分かれば)
健康状態に関する情報
- かかりつけ医の氏名、病院名、連絡先
- 現在かかっている病気、過去にかかった大きな病気や手術
- アレルギー(食べ物、薬など)
- 現在服用している薬の名前と量(お薬手帳の場所を明記するとより良いです)
- 過去の予防接種歴(特に高齢者肺炎球菌ワクチンなど)
もしもの時に伝えておきたいこと
- 事前にご家族などと話し合っている、医療に関する希望(延命処置など、もしあれば)
- ペットを飼っているか、その場合の対応を誰にお願いするか
- 自宅に知っておいてほしいこと(例:ガス栓の場所、貴重品の場所など)
その他
- 健康保険証、診察券、お薬手帳の保管場所
- (もしあれば)介護保険証の有無
これらの情報は、普段から正確に把握しておくことが大切です。お薬手帳などを確認しながら作成しましょう。
リストの準備方法と保管場所
リストを作成したら、いつでもすぐに取り出せる状態にしておくことが重要です。
- 分かりやすい場所に保管する: 玄関のドアの内側、冷蔵庫のドア、電話機のそばなど、救急隊員の方が家に入ってすぐに見つけられる場所に貼っておくか、クリアファイルなどに入れて置いておきましょう。
- 「救急情報リスト」などと明記する: リストだとわかるように、タイトルを大きく書いておくと良いでしょう。
- 家族や信頼できる人に共有する: リストを作ったこと、そしてどこに保管しているかを、緊急連絡先に指定しているご家族や友人などに伝えておきましょう。可能であれば、リストのコピーを渡しておくことも有効です。
- 定期的に見直す: 服用する薬が変わったり、病状に変化があったり、緊急連絡先が変わったりした場合は、必ずリストの内容を更新してください。年に一度など、見直す日を決めておくと良いでしょう。
また、外出時に備えて、小さく折りたたんで財布などに入れておくことも考えられます。その場合も、緊急連絡先などは必ず含めておきましょう。
その他の備え
情報リストの作成と合わせて、次のような備えも安心につながります。
- お薬手帳、保険証などをまとめておく: いつも同じ場所に保管し、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。
- 地域の相談窓口を知っておく: 体調だけでなく、暮らしの困りごと全般についても、地域包括支援センターなどに相談できます。いざという時に慌てないよう、普段からどのような相談窓口があるかを知っておくと心強いです。
- かかりつけ医を持つ: 定期的に医師の診察を受けることで、ご自身の健康状態を把握できますし、もしもの時にもスムーズな連携が期待できます。
まとめ
一人暮らしでの体調急変は不安を伴いますが、事前に「大切な情報リスト」を作成しておくことで、その不安を大きく減らすことができます。リストは、ご自身の命を守るための大切なツールです。
ぜひこの機会に、ご自身の健康状態や緊急連絡先などを整理し、リストを作成してみてください。そして、それをどこに置いたかをご家族などと共有しておきましょう。この備えがあるだけで、ご自身もご家族も、そして駆けつけてくれる救急隊員の方々も、より安心して対応できるようになります。
ご自身の安心な暮らしのために、できることから少しずつ準備を進めていきましょう。